その他の肝炎


自己免疫性肝炎

体は細菌やウィルスなど体内に侵入してきた異物を排除するため免疫系を作動させます。

普通は、免疫系は自らの体に対しては攻撃をしないようになっていますが、ある特別な状況において、自分の体の構成成分に対し抗体が産生され炎症が生じます。これを自己免疫と呼びます

自己免疫性肝炎は、自分の肝細胞の組織を自分の免疫反応によって攻撃してしまうことにより、肝細胞がおかされてしまうことが原因だと考えられていますが、発症の詳細は未だよくわからず、肝障害の原因は不明です

発症は、わが国では50~60歳の中年の女性に多く、約80%以上は女性です。欧米では10~20歳と40~50歳の2つに発症のピークがあり、日本とは異なっていますが、人種差が関連しているものと考えられています。

自己免疫性肝炎は、B型やC型など他のウイルス性肝炎と同様、慢性から肝硬変へと進展することがあるため、早期の診断、治療が必要です。

自己免疫性肝炎では特に特徴的な症状はありませんが、受診された方では、倦怠感、黄疸、食欲不振、関節痛、発熱などの症状を訴える方がいます。また、甲状腺機能の低下や関節リウマチなど、他の自己免疫疾患のある方も多く見られます。

他のウイルス肝炎に比べ、肝臓がんの併発は少ないようです。

一方、こうした症状がまったくないままで、検診などによる肝機能検査や血液検査の結果、見つけられる方も多々あります。

治療には副腎皮質ステロイド薬が非常によく効きます。最近では、軽症例の自己免疫性肝炎や副腎皮質ステロイド剤を減量、中止する際にウルソデオキシコール酸 (ウルソ) を用いる試みもなされています。

まれにステロイド薬が効かず、肝移植が必要となることもあります。