その他の肝臓疾患


肝膿瘍

肝膿瘍とは、肝臓の中にうみがたまった袋(膿瘍)ができる病気の総称で、その原因によって細菌性のものとアメーバ性のものとがあります。

細菌性のものでは虫垂炎などをおこした腹腔内の病原菌が門脈を通って肝臓内部に達する場合や、腸内細菌が胆管を逆流して胆管炎を引き起こし、その菌が肝臓に向かう場合があります。また、肝臓周辺の臓器の炎症から起こる場合や肝臓の怪我がもととなることもあります。

アメーバ性のものでは赤痢アメーバが多く、口から入ったアメーバが、腸の潰瘍部分から門脈を経て肝臓に達し、膿瘍をおこします。国内での感染は少なく、海外で感染したケースが多いようです。

症状は発熱や全身の倦怠感、腹部の痛み、食欲不振、黄疸などが見られます。また、赤痢アメーバ性のものでは血性下痢が見られます。

細菌性膿瘍では敗血症や腹膜炎など重大な症状を引き起こすこともあるので、早急な治療が必要です。

細菌性肝膿瘍の治療にはまず、抗生剤の全身投与をおこないます。しかし、抗生剤のみの治療で改善が見られない場合には、うみを直接取り出すために、穿刺ドレナージをおこないます。それでも治癒しない場合には、手術により膿瘍を取り除きます。胆管がつまったために起こった胆管炎が原因の場合は胆管ドレナージを第一におこないます。ドレナージとは腹部によりカテーテルをとおし、うみを体外に排出する方法です。

アメーバ性肝膿瘍の場合にはメトロニダゾールを投与します。効果が薄い場合は細菌性のものと同様の処置をおこないます。