その他の肝臓疾患


バッド・キアリ 症候群

バッド・キアリ症候群とは肝臓からの血液を運んでいる肝静脈、もしくは肝部下大静脈が何らかの原因でせまくなったり、または、完全につまってしまうことによって肝臓からの血流がわるくなり、肝臓に血がたまって門脈の圧力が上昇する疾患です。

先天的な肝静脈、または、肝部下大静脈の血管の異常や血栓などが原因と見られていますが、約70%は原因不明の非常にめずらしい病気です。

発症形式によって急性型と慢性型にわけられます。

急性型では腹痛、嘔吐、急激な肝臓のはれ、腹水などを発症し重篤な状態にいたることもありますが、80%の方が慢性型で初期にはほとんど症状の出ないこともあります。慢性型では、次第に、足のむくみや腹水、脾臓の肥大また、食道や胃などの静脈瘤破裂による吐血や下血などの症状があらわれ、肝機能の低下から肝硬変へと至ります。適切な治療をおこなわなかった場合の1年以上の生存率は30%程度です。

治療としては、肝静脈、または肝部下大静脈の血管の通りにくくなった場所を元に戻すことと、食道や胃などの静脈瘤などの門脈圧亢進症状の対処となります。

血流を改善する処置として、検査によって血栓が認められ、静脈が完全につまっていない場合には、血栓の予防や溶解をおこなうために抗凝固薬や血栓溶解薬を用います。病状によってはせまくなった部分をバルーンカテーテルで広げたり、患部を直接広げる手術がおこなわれます。重度の肝不全状態の場合には肝移植おこなわれることもあります。